自分たちでできる!マンションの2年目アフターサービスのチェックポイント

  • Update: 2019-02-01
自分たちでできる!マンションの2年目アフターサービスのチェックポイント

分譲マンションはお引渡し後、アフターサービス期間があります。

この機会に申し出た建物や設備の不具合は補修範囲内であれば無償で直してもらえるのです。

1年目、2年目、5年目、10年目とマンションによって複数回その期限は設けられていますが、最初の1年・2年目に期限を迎えるものは、無償で直してもらえる可能性が高くなります。

このタイミングで補修しなかった不具合はいずれ自分たちの修繕積立金を使って大規模修繕工事で補修することになりますので、この機会に無償で補修してもらえば、長い目で見て修繕積立金の節約にも繋がります。

ぜひ有効活用したいところですが、ここで重要なのが「建物の点検」です。

分譲会社・施工会社・管理会社・第三者の調査会社に依頼するケースもありますが、自分たちでチェックを行う場合、どのようなところを見ればいいのでしょうか?

今回は、自分たちでチェックできるわかりやすいポイントを事例とともに紹介します。

(※ アフターサービスの期限、保証範囲はマンションによって異なります。お手元のアフターサービス規準書をご確認ください)

屋上のチェックポイント

防水層

屋上でまずチェックすべきは、防水の状態。写真のように膨れている箇所はありませんか?

防水層の膨れの原因の一つとして、コンクリートの打設後、適切な養生期間を設けず、コンクリート内に水分を含んだまま防水工事を行ってしまったことが考えられます。

防水工事後、太陽熱などによって蒸気となった水分が逃げ場を失うことで防水層が膨れてしまいます。

蒸気の逃げ場として脱気装置を設ける場合があるのですが、この脱気装置の数と配置が適切でないと、同じように防止層の膨れの原因となります。

コンクリートに密着していないと、防水性能を保てなくなる恐れがあります。

膨れはデジカメで撮影してもわかりにくいので、できれば養生テープを膨れた部分近くに貼った状態で撮影しましょう。

また、防水層に苔が生えていたら要注意。放置しておくとこれも劣化の原因になります。

廊下

外壁タイル

外壁タイルの部分は、しっかりくっついているかどうか確認しましょう。

このとき、写真のような「打診棒」という道具を使えば簡単に調べられます。表面をなぞってみて高い音が出るようでしたら要注意です。

きちんとくっついておらず、タイルが浮いている可能性があります。

梁などの高いところから落ちてくると居住者がけがをする可能性もあります。

床のシート

廊下のシートのつなぎ目がガチャガチャしていたり段差があるような箇所は記録しておきましょう。

足を引っかけてつまづいてしまう人もいるでしょう。

このまま放っておくと、はがれやすくする原因にもなります。

エフロレッセンス

梁にこのような白いものが出ていたら、これも直してもらいましょう。コンクリートのアルカリ・カルシウム成分がしみ出したもので「エフロレッセンス」と言います。

どこかで漏水していることになりますが、ここの表面(水の出口)だけを直すのではなく、「水が入ってきた入口」も特定して補修が必要です。

エフロレッセンスは2年目のアフターサービス点検で頻繁に見つかります。早め早めに直しておきましょう。

バルコニー

バルコニーは各住戸で使用しているので居住者にチェックしてもらうことになりますが、各住戸にアンケートを配布するなどして、不具合の有無を確認しましょう。

事前にこのような事例を挙げておくと、見るポイントもイメージしやすく、チェックがしやすいでしょう。

バルコニーの水はけ

水溜りになってしまい、水がなかなかはけないような箇所はありませんか?

排水溝までの勾配がうまくとれていない可能性があります。

排水溝

排水溝でも同じように水がたまっているようであれば、同様に直してもらいましょう。

普段歩く場所ではないので気がつきにくいのですが、雨が降ってから3日くらいたってもまだ乾いていないというような場合はやはり申し出るといいでしょう。

バルコニーの水はけは補修に手間がかかりますが、できれば2年目のアフターサービスで解消しておいてもらい箇所です。

床の塩ビシート

床のシートがはがれかかっているような場合、放っておくと下の階の漏水の原因にもなりかねません。

こちらも補修してもらいましょう。

いかがでしたでしょうか?

アフターサービス保証がまだ残っているマンションにお住まいの方はぜひこの機会に期限を確認してみてください。

この機会を有効活用すべく、不具合はできるだけ洗い出しておくことをお勧めしますが、不安のある方やプロのサポートをご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

2024年5月18(土) 日本経済新聞
【新築マンション保証期限は2年・10年・20年 知らねば損 くらしの数字考】
土屋輝之が取材協力しています。

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ホームインスペクション(住宅診断)をはじめとする個人向け不動産コンサルティングや管理組合向けコンサルティングを行っている。400を超えるマンション管理組合のコンサルティング実績をもち、大規模修繕工事や長期修繕計画の見直し、瑕疵トラブルなどの管理組合サポートサービスを提供している。

【監修】さくら事務所マンション管理コンサルタント(マンション管理士)

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