せっかくのハイグレードマンションが管理で台無し?残念事例

  • Update: 2019-04-29
せっかくのハイグレードマンションが管理で台無し?残念事例

都心の閑静な住宅地に瀟洒な佇まいの外観、高級感あふれるエントランス…。

そんなハイグレードマンションに伺う機会があります。

ですが、ちょっとしたことでそのグレード、高級感が台なしになってしまっている光景もしばしば目にします。

お金をかけて改善するようなことでもなく、管理員さんや管理会社にもう少し配慮してもらうだけで印象が大きく変わるようなこともあります。

ここでは、さくら事務所でマンション管理士が管理会社の履行状況をチェックする「管理サービスGメン」で発覚した、ハイグレードマンションの残念な事例をご紹介します。

エントランスはマンションの顔!なのに・・・

エントランスはいわば、マンションの顔。

そんなエントランスの車寄せに、真っ赤なカラーコーンが並んでいました。

歩行者の通行を確保する目的で設置されたものかと思いますが、常に配置しておくものであればもう少しデザイン性のあるもの、ステンレスなどの高級感のあるものにしてもいいかもしれません。

毎日の生活の中で目にするものは、言われてみないと気がつかないというものもあります。

エレベーターが掲示物でベタベタ

マンションのエレベータに載った際、入り口を除く3面に掲示物がベタベタ貼ってありました。

大事なお知らせなので、毎日使うエレベーターに貼ってみんなに見てもらおう、という思惑もあったのかもしれませんが、パウチもされておらず、紙がそのままクリップで貼られた様は、あまり美しいものではなく残念な光景でと言わざるを得ませんでした。

管理会社に掲示の仕方を工夫してもらうよう、その理事にお話しましたところ、「言われてみれば、他のマンションではこんなの見たことなかった」と仰っていました。

エントランス前の真っ赤なカラーコーン同様、これもそのマンションの管理員さんや管理会社のちょっとした配慮やセンスの問題なのです。

改善には高額な費用が発生するものではありません。

外から人を招く際に、敷地内に入ったところから自分の家のように意識して見直してみてもいいでしょう。

そのゲストルーム、本当にゲストは快適?

ゲストルームは人気の共用施設です。

お部屋に泊まれるスペースがあっても、ゲストルームの方がお互い気兼ねもないでしょう。

また、ゲストルームはマンションのグレードそのものを現すものでもあります。

ところが、管理会社に任せきりにしていたら、残念な共用施設になっているという例も。

まず、チェックすべきはゲストが快適に過ごせるような環境にあるか。

高級なホテルのようなしつらえを期待していたが、ビジネスホテルのような雰囲気だった、ということもあります。

ドライヤーなどの備品がトレーなどに入れられずに、無造作にそのまま置かれていたり、リネン類や清掃の状態もイマイチだったりすることがあります。

ゲストルームは組合の方々や居住者の皆さまが使用されることが少ない共用施設であるため、なかなか気付き難いということも少なくありません。

リネン類や清掃、備品の整備状況などを定期的にチェックすることをおすすめします。

竣工以来、一度も清掃されなかったバルコニー

また、ゲストルームのバルコニーが竣工以来、全く清掃されていなかったというゲストルームもありました。

通常、バルコニーの清掃は一般の住戸であれば、お住まいの方が行うものです。

ただ、このマンションの場合、管理委託契約のゲストルームの清掃範囲にバルコニーは入っていなかったのです。

でも管理委託契約書に記載されていなければ、やっていないことにも文句は言えません。

やるべきことをやっていなかった、とは言えないのです。

もっとも残念なことは、管理会社からバルコニー床の清掃について何も提案がされていなかったということでしょう。

問題はそれが今まで放置されてきた、ということ。

このマンションではこれを機に管理会社がゲストルームのバルコニーも清掃してくれるようになり、来年以降は管理委託契約の中できちんと取り決めることにしました。

ゲストルームは、居住者が使うスペースではないのでなかなかチェックが難しい場所ではありますが、年に1回でもゲストがどのような環境で過ごしているかチェックしてみてもいいでしょう。

マンション管理組合の中には、ゲストルームをご利用になった方へのアンケートを行なっているところもあります。

第三者のマンション管理士に公平にチェックしてもらう

マンションの敷地内、共用施設を一度、「外から訪ねてきた人がどう思うか?」という視点でチェックしてみることをお勧めします。

なんとなく習慣的に見過ごしているものや、つまらないものに思わぬコストをかけていたりといったことが見つかるかもしれません。

できれば、管理会社との管理委託契約の更新の前がタイミングとしてはおすすめです。

とはいえ、毎日そこで暮らし、日常的に目にしているマンション、客観的にチェックするのは目が慣れてしまって難しいということもあるでしょう。

一度、マンション管理士などマンション管理のコンサルタントに管理会社のサービス履行状況のチェックを依頼して見てはいかがでしょうか?

その際は、タワーマンションならタワーマンション、小規模マンションなら小規模マンション、複合型なら複合型、また、ハイグレードマンションのコンサルティング経験など、自分と同じタイプのマンションを数多く見ているマンション管理コンサルタントに依頼するのがポイントです。

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株式会社さくら事務所

ホームインスペクション(住宅診断)をはじめとする個人向け不動産コンサルティングや管理組合向けコンサルティングを行っている。400を超えるマンション管理組合のコンサルティング実績をもち、大規模修繕工事や長期修繕計画の見直し、瑕疵トラブルなどの管理組合サポートサービスを提供している。

【監修】さくら事務所マンション管理コンサルタント(マンション管理士)

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